『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』:ブラザーが選ぶ!おすすめ映画

11歳で進行性筋ジストロフィーという診断を受けた鹿野靖明氏の半生を描いた涙と笑いと感動の実話。

鹿野靖明(大泉洋)は、幼い頃に筋ジストロフィーを発病し、34歳を迎える。本来ならば施設か病院で過ごさなければならないのだが、在宅介護を受けながら24時間、365日自宅で生活をしている。彼は、首と手だけが動くことが出来、食事の世話、入浴など日常の生活は、ボランティアの手を借りなければならなかった。

医学生でボランティアの1人の田中久(三浦春馬)は、患者さんの気持ちが分かるようにという信念で鹿野のわがままで、ずうずうしい要求に応えている。そんな彼の恋人である安藤美咲(高畑充希)は、なかなか会ってくれない田中に会うために鹿野の家に顔を出す。鹿野は、美咲を新人ボランティアだと勘違いし気に入ってしまう。さらに、その日の夜間のシフトに入っていた別のボランティアの都合がつかず急遽、久と美咲が鹿野の介護を担当するようになった。2人は、鹿野の話を夜の2時ごろまで話を聞かされ、しまいには「バナナが食べたい」と言われてしまう。美咲は、「私が買ってきます」と言い鹿野の家を出て行くのだか、どこの店も閉まっていてようやく1本のバナナを手に入れて鹿野の前に半分切れながら、ドンと叩きつけるようにテーブルに置くのだった。

このことがきっかけとなって、美咲は、鹿野のボランティアのメンバーとして先輩のボランティアや高村大助(萩原聖人)、塚田心平(宇野祥平)そして、前木貴子(渡辺真紀子)らに教わりながら鹿野の介護を始める。しかし美咲は、あまりにも横柄なわがままをボランティアにしている鹿野に対して「障がい者ってそんなに偉いの。ほんとサイテー」と言い放って飛び出してしまう。その夜鹿野は、彼女に対して手紙を書くと言って恋人である久に代筆を頼み、ジンギスカンに誘うのであった。始めは、乗る気がなかった美咲だったが、久に「あの人のわがままは命がけなんです」と言われ、ジンギスカンに行くことを承諾する。

ある日、美咲と久はデートに行き久から両親にあって欲しいと誘われる。美咲は、そこで初めて自分は、「教育学部ではなく、ただのフリーター」と告白する。その日から2人の関係が気まずいものとなっていく。美咲は、自分の悩みを鹿野に伝えたのだったが、彼から「口だけが武器な俺なんていくらでも嘘なんかついてるよ。それでも後ろめたいんだったら、嘘をホントにしてしまえばいい」と励まされる。彼のこの励ましを受けた美咲は、徐々に鹿野に心を開いていくのであった。

この映画は、決して障がい者への福祉の物語でもなく、闘病記でもない。ただ、人が正直に当たり前の日常生活を送るということを伝えてくれる映画である。鹿野は言う、「ここは、私の家だ。どうして、私の家なのに遠慮をしなければならないのか」という。私たちは、たびたび周りに遠慮したり、合わせたりしながら生活をしている。改めて人として正直に暮らすことを映画である。

©2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会


『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』
2018年12月28日(金) 全国公開
監督:前田哲
脚本:橋本裕志
音楽:富貴晴美
原作:渡辺一史「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」(文春文庫刊)
主題歌:「フラワー」ポルノグラフィティ(SMEレコーズ)
出演:大泉洋、高畑充希、三浦春馬、萩原聖人、渡辺真起子、宇野祥平、韓英恵、竜雷太、綾戸智恵、佐藤浩市、原田美枝子
配給:松竹
製作幹事:松竹・日本テレビ
時間:120分
2018/日本
©2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会
公式サイト:http://bananakayo.jp

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