時のしるし 年間第33主日(マルコ13・24~32)

6年前の8月上旬に南アルプスへ登った時です。山小屋に着き、ふと空を見上げてみると、空にはすじ雲がなびいていました。それを見て、いくら暑い夏とはいえ、空はすでに秋だなあと感じました。

さて「枝が柔らかくなり、葉が出るようになると、あなた方は夏の近いことを知る」(マルコ13・28)と、イエスは今日のみことばで語ります。立春、立夏、立秋、立冬など、四季に恵まれた日本において、このみことばは、とても分かりやすいのではないでしょうか。

また「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があり、暑い夏が続いても、それも彼岸(秋分の日・春分の日)までと昔の人たちはよく言ったものです。暑かった今年でも、秋分の日にはすっかり涼しくなり、秋だなあと感じました。

さらに秋がだんだん深まってくると、紅葉がきれいだなあと感じます。夏がとても暑くて、急に冷え込んできた時の紅葉はとてもきれいだと言います。その点、盆地は温度差が激しいので、美しいと言われ、京都はまさに美しさが秀でている所です。今までの紅葉で、一番きれいだなあと思った所は、北アルプスの唐沢です。ナナカマド、ダケカンバ、種々の木々が紅葉して、心底きれいだなあと感じました。自然の営みの美しさにうっとり…。

紅葉し、やがて落葉となると、何だか寂しい心境になります。実際にはそんな寂しさの中にあって、来年の春の準備をしています。落葉した木々に目を向けてみると、木の間から新しい芽が出ているのに気づきます。落葉していく寂しさもありますが、そこには春の準備があります。

季節の変化の中で、時のしるしは感じやすいものです。晩秋にあって、時のしるしを身近に感じ取っていくのも、風情があるのではないでしょうか。

あなたにオススメ