罪からの回避という種 年間第26主日(マルコ9・28〜48)

時々「バチがあった」とか「バチが当たる」ということを耳にしたり、口にしたりしたことがあるのではないでしょうか。もちろんキリスト教的にも仏教的にも「バチが当たる」ということはありません。むしろおん父または仏様は、私たちが悪への傾きに陥らないようにと注意をしているのでしょうし、さらには私たちへの【いつくしみの愛】と言ってもいいでしょう。

きょうのみことばは、「イエス様に反対しない者」と「誘惑についての警告」という二つの場面です。弟子たちは、イエス様の周りを囲んで話を聞いていました。そんな時、ヨハネはイエス様に「先生、お名前を使って悪霊を追い出している人を見ました。その人はわたしたちの仲間ではないので、やめさせようとしました」と言います。このイエス様の名前を使って悪霊を追い出していた人は、イエス様が人々になさっていたのを見て、自分も苦しんでいる人が癒されたらいいなと思ったのではないでしょうか。

彼の行為は、苦しんでいる人、悩んでいる人、困っていている人をそのままにしていることができずに、何とかしてあげたいという「愛」からのものでした。そして、イエス様も直接彼に会ったことはないでしょうが、ご自分の名前を使って悪霊を追い出すことをお許しになられたのでしょう。別の言い方をすればおん父もイエス様も彼の行為について認められ、また、勧められていたのかも知れません。弟子たちは前に、霊が取り憑いてものを言うことができない子を癒すことができませんでした。イエス様がその子を癒されますが、弟子たちはどうして自分たちにはできなかったのか、とイエス様に尋ねたことがあります。イエス様は彼らに「このたぐいのものは、祈りによらなければ、どうしても追い出すことができない」と答えられました(マルコ9・14〜29)。

このようなことがあった弟子たちは、彼に対して妬みがあったのではないでしょうか。ヨハネが「【わたしたち】の仲間ではないので」と言っている言葉の中には、「自分たちこそがイエス様の弟子である」という特権意識という傲慢な心がいつのまにか現れていたのかも知れません。それで、イエス様は弟子たちに「やめさせてはならない。わたしの名によって奇跡を行いながら、すぐにわたしをののしる者はいない。わたしたちに反対しない者は、わたしたちの味方である」と言われます。イエス様は弟子たちに対して、その人が祈って助けたいという純粋な心を持っていることを気づかせようとしていたのかも知れませんし、また、あなたたちが初めて派遣された頃のことを思い出しなさい、と伝えたかったのかも知れません。

イエス様は、「あなた方によく言っておくが、あなた方がメシアに従う者だからというので、あなた方に一杯の水を飲ませる人は、決してその報いを失うことはない」と言われます。パウロは、「キリストのものであるなら、それこそ、あなた方はアブラハムの『子孫』であり、神の約束によって、その恵みを受け継ぐ者なのです」(ガラテヤ3・29)と言っています。イエス様は、「【メシア(私)に従う者】はおん父の恵みを受け継いでいるのです」と言われているのではないでしょうか。その神の恵みを受け継いでいる人が「一杯の水を飲ませる」というのは、あなた方の協力者なのです、と弟子たちに伝えているのかも知れません。

続いてイエス様は、「わたしを信じるこの小さな者の一人をつまずかせる人は、その首にろばの碾き臼をはめられ、海に投げ入れられるほうがましである。」と言われます。この「小さな者」というのは、イエス様が抱き寄せている「幼子」(マルコ9・37)という意味もありますし、傷を負っている人、貧しい人、困っている人という広い意味での「小さい者」と言えるかも知れません。そのような小さい者の一人をつまずかせる人は、「海」に投げ入れられる方がましである、と言われているようです。ちなみに、聖書の中で「海」は悪魔がいる所とされていましたので、罪を犯すよりは悪魔に引き渡される方がましであるという強い警告を弟子たちに伝えているのです。

さらに、「もし一方の手があなたをつまずかせるなら、それを切り捨てなさい。片手で命に入るほうが、両手がそろったままで、地獄の消えることのない火の中に落ちるよりましである。」と言われ、同じように「足」「目」が「あなたをつまずかせるなら……ましである」と言われます。イエス様のこの言葉は、とても厳しい言葉です。イエス様は、「罪」を人に対して行うことも、自分自身に対して行うこともお望みではありませんでした。

イエス様は私たちが「罪への執着」に対して自分の「手」「足」「目」を切り捨てるほどの覚悟、痛みを伴ってでも「罪から離れなさい」と教えられているのではないでしょうか。これらのイエス様の言葉は、私たちへの「いつくしみの愛」なのです。私たちは、イエス様からこれほど愛されていることに気がつき、感謝することができたらいいですね。

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