サンパウロが修道者の店であることの意味 吉田圭介神父

入会してから、志願期から修練期のあいだは編集部に所属していたが、神学生になってから今まで、その後は販売の使徒職に従事している。自分の従事した使徒職に関してのみだが、その中で、感じたことを書いてみたい。

日本において聖パウロ修道会はサンパウロという事業体を使徒職の場としている。いわゆる小教区での司牧をしておらず、サンパウロではそのような直接的な宣教とはなりにくい。その中で、私の就いている店での業務は人々と触れあうチャンスである。特に私の従事する用品販売は直接教会や聖書とは関係ないものも販売しているが、それらを通して信仰生活の助けとなることを前提として提供している。これらを販売することをとおして私たちが人々の道しるべとなり、販売という短い時間にどれだけキリストを伝えられるかという意識をもって従事し、その時間と場所を有効に使うことによって、この使徒職は生きてくるのではないだろうか。

特に店頭での販売業務ではお客様とのやり取りが少なからずある。そこでの会話は、時には世間話であったりもするが、信心用具の使い方であったり、用語の説明であったりする。短い時間であるけれども相談に乗ることもあり、実に様々な質問を受けることになる。聖書の講義をするわけではないけれども、その人々を神のほうへ向ける義務が私たちにはある。学生時代、兵庫県の女子パウロ会の書院に掲げてあった言葉「あなたたちの書店は聖堂であり、カウンターは説教台である」。創立者ヤコブ・アルベリオーネ神父が語った言葉だが、これに私は非常に心を動かされた。司牧といえば小教区教会や、あるいは学校で教える、というイメージしかなかった私にとって、どういう場にあっても司牧活動はできるのだということを教えてくれる言葉であった。

AD(Abundantes divitiae:創立者がパウロ会創立40周年の折りに書いた霊的手記)にあるように「修道会では、力は一つに集結され、献身は全面的となり、教養はいっそう純粋となる……」(AD24)。創立者は一つの使命のために、「教会のために献身的に働く人びとの団体」(AD24)という組織を考えた。それがパウロ会なのである。だからその団体において司祭会員と修道士会員は働く。「パウロ会員」として働くのである。パウロ会員はその中で、その働きに確実性と保証を持たせることができる。編集の使徒職であろうと、普及の使徒職であろうと、パウロ会員であるならば、パウロ会の使徒職の中にあってこそ私たちは「福音をのべ伝えること(教える任務)、秘跡の執行(聖化する任務)、ゆだねられた民への奉仕(司牧者としての任務)」を遂行することができるのである。私たちには、私たちならではのアプローチの仕方がある。

しかし、実際に販売の現場に立ってみると、サンパウロが修道会経営の店であるということが、あまり知られていない。それどころか、他のキリスト教用品店と間違われている場合がある。そのために日本におけるサンパウロの歴史をつづったポスターを作成して目につく場所に掲示をしたが、このポスターを欲しいという方も時々ある。それはそこに書かれている会員の働きを見て、パウロ会の使徒職に共感してくださったからにほかならないと思う。

ある女性スタッフはサンパウロに就職する前に「サンパウロはブラザーのいる店だから買い物に来ていた」そうである。私たちはもっと修道会の面を強調してもよいのではないかと思う。戦後から続いていた「中央出版社」という名称を「サンパウロ」に変更したのは、全世界で共通の名称ということもあるが、それによって、これが聖パウロ修道会の使徒職であること、聖パウロ修道会が行っている宣教活動であるということを人々にアピールすることができるはずである。

私たちは司祭、修道士、という一個人で行なう宣教者なのではなく、各々が団体において一つになって行なう宣教集団なのである。その司祭、修道者が店頭にいるということは、ここを訪れる人々に宗教用品を扱っているだけの店ではないということ、販売の形式をとってはいるが、サンパウロこそ私たちが従事する小教区だといえるのではないだろうか。

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