良い羊飼い 復活節第4主日(ヨハ10・11~18)

「わたしは良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる」(ヨハ10・11)のことばから今日の福音が始まります。羊飼いでも「良い」という言葉がついています。それだけ羊のことに気を配り、配慮している情景がよく浮かんでくるでしょう。命をささげるほどのことが私たちにできるでしょうか。

東日本大震災で私たちはいろいろなことを学んだのではないでしょうか。南三陸町を大津波が押し寄せ、町全体を飲み込み、大きな被害を与えました。たくさんの町の職員や警察官、消防団員なども行方不明となりました。そんな中、町の危機管理課職員であった遠藤未希さん(25歳)は、地震後も役場別館の防災対策庁舎に残り、「早く逃げてください」と無線放送を続けました。この放送によってたくさんのいのちが救われたが、遠藤未希さんは帰らぬ人となりました。地震発生から約30分後に高さ十メートル以上の津波が押し寄せ、町役場を襲いました。最後まで防災無線を通じて避難を呼びかけた勇気ある遠藤未希さんの行動は、教科書にも記載されることになりました。彼女の行動に「羊のために命を捨てる」姿が重なって見えてきます。

また、2012年2月16日に帰天されたフランシスコ会のシャールアンドレ神父様は最初、宣教師として中国で働いていました。文化大革命により、中国から日本へ移ってきました。修道者としてもさることながら、司牧者としても種々の手腕を発揮しました。信徒の声に耳を傾け、信徒を牧者として導いていく。最後の最後まで現役の司牧者であったところに、「良い牧者」の鑑(かがみ)のようなものを感じます。

「良い羊飼いは羊のために命を捨てる」というイエスの言葉は、私たちの遠い世界ではなく、身近な所にあるような気がします。

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