マリア様に倣うという種 待降節第4主日(ルカ1・26〜38)

きょうの典礼は、「待降節第4主日」ということで「主のご降誕」を待つ最後の主日となります。今年は、カレンダーの関係で、世界で一番待降節が短い年となり、この日の晩には、「主の降誕」の夜半のミサとなります。

きょうのみことばは「マリアへのお告げ」の場面で、み使いガブリエルが神から遣わされて、ガリラヤのナザレという町のマリア様のもとに行きます。この「お告げ」の場面を扱った絵画は、たくさんありますので、私たちが「マリアのお告げ」を黙想するのに役に立つのではないでしょうか。

マリア様が【お告げ】をいただいた歳は、「ダビデ家のヨセフという人のいいなずけ」とありますから、当時の結婚適齢期(15歳〜18歳)から考えますと、それ以下の年齢だったと考えられます。ですから、私たちがいう「中学生」くらいの年齢と言っていいでしょう。マリア様は、ガブリエルから「喜びなさい、恵まれた方よ。主はあなたとともにおられます。」という挨拶を受けます。まだ12歳〜14歳の少女のマリア様は、ガブリエルからの【お告げ】を受け「いったい、この挨拶は何のことだろうか」と思い惑います。マリア様は、戸惑いながらもこのガブリエルの言葉を深く味わい、思いとどまられたのではないでしょうか。

きょうのみことばの中には、「恵まれた方」という言葉と「恵みを受けている」という言葉が出てきます。なぜガブリエルは、マリア様に【恵み】という言葉を使ったのでしょうか。みことばの中にあるガブリエルの言葉を見ますと「主はあなたとともにおられます」や「神の恵み受けて」というように【恵み】の前後に【主】とか【神】という言葉が出てきます。
 サムエル記の中で預言者ナタンは、ダビデに「すべてはお心のままに行いなさい。主はあなたとともにおられます」(サムエル記下7・3)と伝えていますが、その夜に主である神から、ナタンのもとにダビデ王への祝福の言葉が伝えられます。このように考えますと「マリア様への恵み」というのは、【主である神】が【ともにいる】ということではないでしょうか。マリア様は、ガブリエルの言葉を聞いて思い惑いながらも自分の中に【主なる神】の「何か」を感じたのではないでしょか。「主とともにいる」ことの素晴らしさをこのみことばから黙想できるかも知れませんね。

さて、み使いガブリエルがおん父からいただいたメッセージは、「あなたは、身籠って男の子産むこと」「その子をイエスと名づけること」「その子は偉大な者となり、いと高き方の子と呼ばれること」「神である主は、彼にその父ダビデの王座をお与えになること」「彼は、ヤコブの家をとこしえに治め、その治世は限りなく続く」ということでした。これらのメッセージは、おん父がナタンに伝えた「お前の身から出る一人の子孫をお前の後に立て、彼の王権を確立しよう。その者がわたしの名のために家を建て、わたしは彼の王座をとこしえに固くする。わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となるであろう。」(サムエル記下7・12〜13)と言ったことが、マリア様を通して成就されるということのようです。おん父は、マリア様を通してご自分の子であるイエス様を救い主(メシア)としてこの世にお与えになられることをお約束されたのです。

マリア様は、ガブリエルの言葉を聞いて一つの疑問が生じて「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに」と伝えます。マリア様のこの質問は、ごく当たり前のことでしょう。当時の「いいなづけ」というのは、婚姻と同じだったようです。マリア様はヨセフ様の「いいなづけ」でしたが、まだこの頃は「同居」すらしていませんでした(マタイ1・18)。ガブリエルは、マリア様の質問に「聖霊があなたに臨み、いと高き方の力があなたを覆う。それ故に、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。」と伝えます。ここでもガブリエルは、マリア様がおん父の恵みによって「神様の子」の母となることを伝え、その後にマリア様の親戚であるエリザベトが妊娠したことを伝えます。このことは、一つの徴であり、おん父のご計画の素晴らしさをマリア様に伝えられたのではないでしょうか。

ガブリエルのお告げは、「神には、何一つお出来にならないことはない」と結ばれています。私たちがこの言葉によって、どれだけ勇気をいただくことができるでしょう。ただし、私たちがこのみことばをいただくためには、マリア様のように「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように」という謙遜な心で受け入れることが大切になります。イエス様のご誕生は、マリア様が謙遜にガブリエルの言葉をおん父からの言葉として受け入れられたことによって実現されました。私たちは、このマリア様の謙遜なお姿に倣いながら、主である神様が私たちとともにおられることを感じ、気づきながら心からの喜びをもって、主のお誕生を祝うことができたらいいですね。

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