社会のただ中で生きるパウロ的奉献生活 澤田豊成神父

マリア・アンヌンチアータ会は、パウロ家族の中の在俗的奉献生活者の会としては、唯一、日本に存在し、活動をする会です。この会が実際に創立されたのは、教皇ピオ十二世が社会の中で生活をしながら、公的誓願を宣立して奉献生活者として生きる「在俗会」を公式に認めた後で、一九五八年のことです。しかし、創立者である福者ヤコブ・アルベリオーネ神父にとって、この会はすでに十九世紀と二十世紀を分ける夜の聖体礼拝のときから思いの中にあったようです。

当時、神学生であったアルベリオーネは、このとき、聖体から一条の光を受けて、「みな、わたしのもとに来なさい」(マタイ11・28)というキリストの招きをより深く理解します。すべての人が、そう司祭も信徒も、男性も女性も、ありとあらゆる身分、状況に置かれた人が巻き込まれ、それぞれの立場で、みながイエスのもとに集まるよう力を合わせていくこと。まだ、福音宣教が聖職者だけの権能、務めであると考えられていた時代に、アルベリオーネ神父はこのような照らしを受け、準備を進めていきました。

こうして、一九一四年、パウロ家族の中の長子である聖パウロ修道会が創立されました。司祭だけでなく、修道士が同じ使命に参与することにより、福音宣教という司祭職をともにおこなっていく修道会が生まれたのです。その翌年には、修道女もこの司祭職に参与するため、聖パウロ女子修道会が創立されました。さらに、全面的な師であるキリストをすべての人に伝えていくために、他の四つの女子修道会が創立されました。また、信徒もこの務めに参与するようにと、協力者会が創立されました(今年、協力者会は創立百周年の記念の年を祝っています)。

一九五○年代になって、在俗的な奉献生活の会が教会の中で公に認められるや否や、まるでそれを待っていたかのように、アルベリオーネ神父は、次々に在俗的奉献生活の会を創立しました。教区司教・司祭の奉献生活の会である司祭であるイエス会、男性信徒の奉献生活の会である大天使聖ガブリエル会、女性信徒の奉献生活の会である聖マリア・アンヌンチアータ(=お告げの聖マリア)会の三つです。しばらくして、家族として奉献生活を生きる聖家族会も誕生しました。社会の中にあっても、みずからを全面的に神にささげ、職場や人間関係の中で師キリストを証ししていく人々の集まりとして、パウロ家族の壮大な使命を果たすうえで、欠かすことのできない人々として、創立者はこれらの会を創立したのです。

道・真理・いのちである師キリストを全面的に生き、すべての人に伝えるというパウロ家族の使命を担い、社会の中にあって、パウロ的奉献生活者として、みずからの仕事を隠れた「使徒職」として果たし、「みな、わたしのもとに来なさい」とのイエスの切実な望みを実現していく女性たち。外面上は奉献生活者とは分からない一人の女性として、だからこそ修道女が果たすことのできない場、方法で使徒職を果たしていく女性たち。これこそ、聖マリア・アンヌンチアータ会なのです。

アルベリオーネ神父は、パウロ家族の在俗的奉献生活の会の指導・養成を聖パウロ修道会の総長・管区長にゆだねました。通常、総長・管区長は代理を立てて、この務めを担当させます。日本では、わたしが聖マリア・アンヌンチアータ会の担当をしています。現在、日本には終生誓願者が一名、志願者が三名います。みなさまのお祈りをお願いします。また、この生活に関心のある方は、ぜひお問い合わせください。

文=澤田豊成神父(聖マリア・アンヌンチアータ会担当)

●聖マリア・アンヌンチアータ会ウェブサイト
https://sanpaolo.or.jp/annunziatine/

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