おいしい水 四旬節第3主日(ヨハネ4・5~42)

最近、水がおいしくなったなあと思います。以前、東京でも福岡でも、カルキの臭いが強かったのですが、今ではずいぶん緩和された感じがします。最近ではテレビでも「東京水」が宣伝されるほどです。

ガリラヤからエルサレムへ旅をする時、当時の人々はサマリアを通っていました。そこは旅の中継地点になります。しかし、ユダヤ人とサマリア人の間には昔から敵対心が生まれていました。お互いに口をきくようなことさえありませんでした。発端は旧約時代に遡ります。サマリア人は偶像崇拝者で、エルサレムに対抗してシケムに神殿を築き、ユダヤ教からの離教者と考えられていました。エルサレムに対して強い対抗意識を持ち、多くの恨み辛みがありました。またユダヤ教の人々はサマリア人を異邦人として軽蔑もしていました。お互いに敵対心を持ち、ユダヤ人はサマリア人を軽蔑する。そんな背景を頭に置きながら読むと分かりやすいかもしれません。

お互い仲が悪い中で、イエスがこのサマリアの女性に声をかけること事態が珍しいことです。場合によっては、イエス自身も周りから軽蔑される可能性さえありましたが、イエスはそのことを一向に気にしません。サマリアの女性に対する温かい思いがあるのでしょう。

またこのサマリアの女性は、5人の夫を持っていましたが、今のは夫ではないことを語ります。いわゆる内縁関係になっています。家庭の複雑さからも、女性には精神的な傷を負っていたのではないでしょうか。それでもイエスに声をかけていく。そこには救いを求めているこの女性の姿が見事に描かれています。

この水を通して、イエスは「この水を飲む者はだれでもまた渇く。しかし私が与える水を飲む者は、決して渇かない」と語ります。サマリアの女性には魔法の水、都合のよい水に映ったことでしょう。

キリストとの出会いが深い信仰へと導くことを教えてくれます。

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