神のいつくしみによる回心 王であるキリスト(ルカ23・35~43)

聖書の中には、たくさんの回心の場面が登場します。その中でも「ルカによる福音書」を振り返ってみると、レビの召命(5・27~32)、罪深い女(7・36~50)、見失った羊・なくした銀貨・放蕩息子(ルカ15章)、ザアカイの回心(19・1~10)など、回心に関する箇所が目につきます。これらの回心について深く味わってみると、自分自身が悪かったので回心していくというよりも、神様の恵みを身近に感じて、自分の弱さ、小ささに気づき、そこから回心していくというケースが多いのではないでしょうか。まさに神様のいつくしみを深く感じて、回心へと導かれていくケースです。

今日の箇所に登場する二人の犯罪人の場合はどうでしょうか。犯罪人の一人はイエスを侮辱して「お前はメシアではないか。自分とおれたちを救ってみろ」(ルカ23・39)と語ります。それに対してもう一人の犯罪人は彼をたしなめながら自分の過去を振り返り、イエスの本当の姿を身近に感じて、「イエスよ、あなたがみ国に入られるとき、わたしを思い出してください」(ルカ23・42)と語ります。この言葉にはどんな意味が込められているでしょうか。すなわち、この犯罪人にとって、これまでさんざん悪いことをしてきた。十字架に付けられたイエスの姿を見て、真の救い主を感じ取っていきます。彼はイエスのいつくしみや憐みを深く感じ取って、回心へと導かれていきました。表面的な回心ではなく、心からの深い回心の気持ちが伝わってくるのではないでしょうか。「ルカによる福音書」にとって、この言葉は回心での集大成のような気がします。このような犯罪人の回心を受け、イエスは「あなたによく言っておく。今日、あなたはわたしとともに楽園にいる」(23・43)と語ります。まさにイエスが回心した彼を救いへと招いた最高の言葉です。

私たちもまた、日々の生活の中で神の恵み、いつくしみ、憐みを感じながら、回心へと招かれている一人であることを受け止めたいものです。

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