四谷界隈 年間第17主日(マタ13・44~52)

東京の四谷近辺は、千代田区と新宿が微妙に交錯しています。サンパウロのお店がある所は新宿区四谷一丁目で、すぐ隣の四ツ谷駅も当然のことながら、新宿区かと思ったら、千代田区になっています。同様に、「品川駅」も品川区かと思ったら港区、「目黒駅」も目黒区かと思ったら品川区。駅名と区割りが微妙に違うのも面白いものです。

さて四ツ谷駅周辺は、皇居(かつての江戸城)の外堀になり、この外堀の内側は千代田区紀尾井町です。この地にはかつて紀州の徳川家中屋敷、尾張の徳川家中屋敷、彦根の井伊家中屋敷があったと言われ(それぞれ紀州家、尾州家、井伊家と呼ばれ)、各家の頭文字を一文字ずつとって町名となっていきました。紀州徳川家は現在のグランドプリンスホテル赤坂、尾張徳川家は現在の上智大学、井伊家は現在のホテルニューオータニ付近にあったと言います。それだけ格式の高い地区です。それに対して、外堀の外側にある四谷一丁目や私の修道院がある若葉町は紀尾井町とは違い、庶民的な町で、レベルが少し下がるのでしょう。例えば、現在の四谷修道院が建てられる前、文化財の埋没調査が行われました。ところが出てきたものは、酒盛り用の盃やとっくりなど…。この地区には成り上がれなかった武士が住み、連日やけ酒を飲みながら暮らしていたのかなあと勝手に想像してみました。確かに、四谷一丁目や若葉町の所にはお墓が多く、「四谷怪談」でも有名な場所だけに、ちょっと敬遠するような場所だったのかもしれません。

今日もみことばの中に「天の国は畑に隠された宝に似ている。それを見つけた人はそれをそのまま隠しておき、喜びのあまり、行って自分の持ち物をことごとく売り払い、その畑を買う」(マタ13・44)と。戦後、四谷界隈は空襲で焼け、悲惨な状況だったと言います。人々もあまり目を向けなかった場所でしょうが、宣教師たちはよい場所だと思い、お金がなかったにもかかわらず頑張って買いました。今ではとてもよい場所になっていますが、まさに持ち物を売り払って買ったような心境でした。先輩たちにとっては、隠された宝、真珠のようなものだったのでしょう。

「天の国」について、隠された宝や真珠商のたとえを用いるイエス。私たちが「天の国」の魅力を知れば、どのような投資をするのでしょうか。

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