サマリアの女と水 四旬節第3主日(ヨハネ4・5~42)

今日のみことばに登場するサマリア人は、どんな歴史を持っているのでしょうか。ヤロブアム二世(紀元前788年~748年)の時代にイスラエルの北王国の首都であったサマリアは最盛期を迎えますが、王室や上流階級の人たちが贅沢に暮らし、そのことについて預言者アモスは非難します(アモ3・9~15)。その後、イスラエル王国は衰退し、アッシリアの人々がサマリアに侵入し、722年、サマリアはアッシリア帝国によって滅ぼされていきます。721年にサルゴン二世が王位につき、たくさんのサマリア人が捕虜として連れ去れ、帝国各地から異民族がサマリアに移住してきました。こうして残ったイスラエル人は、異民族と結婚し、混血として生まれたのがサマリア人でした。やがてユダヤ人との間には敵対関係が生まれ、サマリア人のことを「クテ人」を呼んで蔑視したりしました。またシラ50・26ではサマリア人を「シケム住む愚かな民」と警鐘しています。このように、イエスの時代以前から、サマリア人とユダヤ人の間には、深い敵対関係があり、根深いものでした。

サマリアの一人の女性が水を汲みに行きます。そこでイエスは「水を飲ませてください」と語ります。イエスは渇きを覚えていました。水を求めるイエスに、サマリアの女は敵対関係の人がなぜ、水を求めるのか奇妙に思えてなりません。やがて、このサマリアの女は水を与えます。こうしてそれまでの敵対関係が消えていきました。

またサマリアの女は離婚歴があり、みんなから見離されていました。それも一度や二度ではなく、何度も…。「五人の夫があったが、今のは夫ではない」(ヨハネ4・18)とイエスは見抜きます。つまり五回離婚し、今の男性は同棲しているのでしょうか…。離婚歴があること、同棲していることで、社会から冷たい視線を感じて生きていたことでしょう。クタクタに疲れきっていたサマリアの女は、イエスとの出会いによってすっかり表情が変わっていきます。

このように、イエスとの出会い、語り合うことによって人生が変えられ、永遠のいのちへと招かれるのを感じます。

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