山容と変容 四旬節第2主日(マタイ17・1~9)

山に登って、いちばん感動的な瞬間というのは、ご来光でしょう。悪天候の中、雨風に打たれ、高山病にかかり、疲れきってしまった時の翌朝、ご来光に遭遇すれば、それらの疲れが一気に吹き飛ぶような心境になります。

たくさんの経験があるわけではないのですが、これまでの登山の中で、感動的なご来光は、富士山、八ケ岳、南アルプスの農鳥岳、白馬岳、立山、薬師岳などを挙げることができます。静寂な中、日が徐々に昇ってくる。あの瞬間は何回体験しても感動的です。もちろん太陽を注視するのもよいのですが、周辺の山容の変化も面白いものです。日が出るまで真っ暗だった山が、紫色になり、やがて真っ赤に染まり、自然の素晴らしさにただただ感動します。同じ山なのに、このように変化するのかと…。周辺の山々が光によって変えられていく山容もまた、神の偉大な力によるものでしょう。

さて、主の変容は今日のみことばの中でどのように描かれているでしょうか。イエスは、ペトロ、ヤコブとその兄弟ヨハネを通して高い山に登り、そこでイエスの姿が変わります。「顔は太陽のように輝き、衣は光のように白く光った」(マタ17・2)と。ご来光ではないけれど、弟子たちもまた光り輝くイエスの姿に感動したことでしょう。しかも霊の中から声がして、「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者。彼に聞け」(マタ17・5)と。この状況は、シナイ山でモーセが体験したものと同様で、神との出会いを想起します。こうした出来事を通して、弟子たちもまた、神との出会いの素晴らしさを実感するとともに、イエスにやがて訪れる復活の恵みを感じ取ったことでしょう。

ご来光と主の変容。どちらにも神との出会いを感じさせる不思議なものがあり、私たちを輝きへと導くものがあります。

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