補償金 年間第18主日(ルカ12・13~21)

2011年3月11日に東日本大震災が起こり、たくさんの方々が犠牲となりました。地震、津波、さらに原発。今なお、数多くの方々が苦しい思いを抱えているのを耳にしたり、実際に自分の目で見たりすると、胸が痛くなります。

そんな中、こんな話を聞きました。福島の原発がトラブルを起こし、多くの方々が避難生活を送ることになりました。今までとは違う不自由な生活を余儀なく強いられることになりましたが、原発事故に近い地域に住んでいた方々は、東京電力から補償金として一人あたり月10万円、五人家族であれば毎月50万円を受けているそうです。ところが道路一つ隔てて、市町村が違っていたり、原発から微妙に遠いということで、その補償金を受けていない家庭があるそうです。ほんのちょっとした違いからくる不公平さ。そのため、今まで近所づきあいができていたのが、この補償金をめぐってぎくしゃくし、受けていない方が受けている方に対して嫌がらせをしたりするケースがあるとのこと。例えば、車の窓ガラスが割られたり、車体に落書きをされたり…。

その一方で、補償金を受けている方々は、仕事をするとその恩典が受けられなくなるので、何の仕事にもつかず、ただブラブラと生活している方もいるとのことでした。そのため、人生が狂ってしまい、アルコール依存症になって家庭崩壊が生じたり…。原発がもたらした別の災難とも言えるのではないでしょうか。

そんな状況の中で、今日のみことばが響いてきます。「愚か者、今夜、お前の命は取り上げられる。そうすれば、お前が蓄えた物は、いったい誰のものになるのか」(ルカ12・20)。たくさんのお金が入り、悠々自適に暮らすことも可能ですが、安楽に暮らそうと望んでいる者に、神様の厳しい叱責が届きそうです。

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