わたしは主の羊という種 復活節第4主日(ヨハネ10・27〜30)

ある方が「ヤギたちは私がヤギ小屋に餌を持って行くと、みんな小屋から出てきて、餌を食べるのです。それが、とても可愛いいの。」と話してくれました。そこには、その方とヤギたちの信頼関係ができていて、この人が来れば餌をもらえる、とヤギたちもわかっているのです。私たちとイエス様との関係は、どうなのでしょうか。

きょうのみことばは、ユダヤ人たちがイエス様に「いつまでわれわれをじらすのか。あなたがメシアなら、はっきりそう言ってくれ」(ヨハネ10・24)という質問の答えの一部分です。イエス様は、エルサレムで神殿奉献記念祭があったときに、神殿の境内のソロモンの回廊を歩いていておられました。その時にイエス様はユダヤ人たちに囲まれ、このような質問をされたのです。ですから、このユダヤ人たちは、イエス様の所に癒しや教えを求めてきているユダヤ人たちではなく、どちらかというと知識人、裕福な人たちという、律法学者やファリサイ派の人たちではないでしょうか。彼らの中の話題は、イエス様がメシアかどうかということでした。彼らは、もしイエス様がメシアだったら、イエス様を先頭に立たせローマからの圧政から救っていただき自分たちの権力をさらに確立しよう、という考えがあったようです。

イエス様は、そのような彼らの考えをご存知でしたから「わたしは話したが、あなた方は信じない。わたしが父の名によって行う業が、わたしについて証しをしている。しかし、あなた方は信じない。わたしの羊ではないからである。」(ヨハネ10・25〜26)と彼らに答えられます。この言葉からユダヤ人たちとイエス様が言われる【メシア感】は、かなりズレがあることがわかります。イエス様は、政治とか権力ということは全く関係がありません。ただ、【おん父の名によって行なっている業】という人々を救い、贖うという【メシア】としてこられたのでした。イエス様は、人々を羊として例えられています。ユダヤ人たちは、羊飼いと羊との関係が家族のような強い絆、信頼関係で結ばれていることを知っていました。ここで、イエス様ははっきりと「あなた方は信じない。わたしの羊ではないからである。」と彼らに言われたのです。

イエス様は、このように言われた後に「わたしの羊はわたしの声を聞き分ける。わたしも彼らを知っており、彼らはわたしに従う。」と言われます。この言葉は、イエス様の所に質問をしにきたユダヤ人たちにとって屈辱的なことでした。彼らは「自分たちは、いつもエルサレムの神殿にいて、神を礼拝し、人々に教え、多くの献金をしている。それなのに、自分たち以外の羊(ユダヤ人)のことを指して話されているのか。」と思ったことでしょう。彼らの心の中は、傲慢でエゴの塊で満たされていたのです。彼らにとって【羊飼い】は必要がないばかりか、イエス様の言葉を自分たちに都合がいいように解釈していたのかもしれません。

しかし、自分たちが羊飼いに守ってもらわないと生きられないことを知っている羊(ユダヤ人)たちは、イエス様の所に集い、耳を傾け、癒され、そこに留まります。イエス様は、ご自分の所にきた羊に【永遠の命】を約束されます。さらに「誰もわたしの手から、彼らを奪い去りはしない。」と言われます。この言葉は、私たちに勇気を与えてくれます。イエス様は、私たちが迫害や困難に遭遇したとしてもイエス様がいつも守ってくださる、ということを伝えているのではないでしょうか。私たちは、時として病気や事故、親しい人の死、または周りの人からの無理解、誤解、いじめなど不条理な物事に遭遇します。しかし、このみことばは、たとえそのようなことにあったとしても、イエス様との信仰、信頼関係を奪い去ることができない、と伝えているようです。

イエス様は、「わたしの父がわたしにくださったものは、他の何ものにも勝るものであり、誰もそれをわたしの手から、奪い去ることはできない。」と言われます。この言葉は、私たち一人ひとりに対してイエス様が伝えていることです。私たちは、「神はご自分にかたどって人を創造された。人は神にかたどって創造され、男と女とに創造された。神は彼らを祝福して仰せになった。」(創世記1・27〜28)と創世記にあるようにおん父から一人ひとり創造され祝福されています。その私たちは、自分たちを創造されたおん父へと向かうために一番身近なお方として、イエス様に耳を傾け、従って行っているのです。

イエス様は、「わたしは父と一つである」と言われます。この言葉の中には、ありませんが、この中には【三位一体の神】のこともあることでしょう。私たちは、この三位一体の神の恵みの中に包まれ、守られて歩んでいます。イエス様は、どんなに小さな羊であっても、心に留められ共におられます。私たちは、このイエス様に信頼して頂いた道を歩むことができたらいいですね。

あなたにオススメ