石を投げる 四旬節第5主日(ヨハネ8・1~11)

小学生の頃、兄弟や友達と川へ泳ぎに行った時、小石を拾って水面に投げ、小石が何回ポンポンとはねていくのかを楽しんだことがあります。5~6回くらいはねるとついつい有頂天になったことも……。

イエスが「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まずこの女に石を投げなさい」と言います。「石を投げる」となると、かつて小学生の頃に川で遊んだ小石とは明らかに違います。この時の「石」(リトス)とはどれくらいの重さだったのでしょうか。ある註解書によると、この石の重さは6.35kgと記されています。小石とは比べものにならないほどのかなりの重さです。これほど重い石が頭に当ると、即死するでしょう。律法学者やファリサイ派の人々は、姦通を犯した女に「石で打ち殺せと、モーセは律法の中で命じています」(8・5)と語ります。それに対してイエスは「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」と言い、このことばがとても耳に響きます。

一人去り、二人去り、最後はイエスと罪深い女だけが残ります。イエスは「だれもあなたを罪に定めなかったのか」と語ります。「罪に定める」(カタグリノー)は、「訴える」「裁く」「責める」といった意味もあります。だれもこの罪深い女性を裁けなかったことになります。イエス自身も「わたしもあなたを罪に定めない」ということばはとても感動的です。イエスの寛大な思いやりがこの女性に向けられ、それによってこの女性も回心へと導かれていきます。つまり、神様の愛が先行して、私たちの「回心」が引き出されていきます。回心を考える上での大切なポイントではないでしょうか。

ふだんの生活の中で、神様の愛がどのように注がれ、感じ取っているでしょうか。それに気づいていくと、わたしたちも「回心」への歩みへと導かれていきます。

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