最初のしるし 年間第2主日(ヨハネ2・1~11)

有名なカナでの婚礼の箇所ですが、結びの部分で「イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現された」(2・11)と記されています。

「しるし」を辞書で調べてみると「印」「標」「徴」とあります。「印」は印鑑など、「印をつける」の意味、「標」は「人目につきやすい目じるし」、「徴」は「表面にあらわれたしるし」を意味します。ここからカナでの婚礼は「徴」の意味に近いのではないでしょうか。

ヨハネ福音書から、イエスがなさったしるしには他のどんなものがあるでしょうか。ヨハネ4章に出てくる役人の子の癒し、ヨハネ6章の病人たちになさったしるし、同章のパンを増やすしるし、9章の盲人を癒すしるしなど数多く出てきます。しかし、「このように多くのしるしを彼らの目の前で行われたが、彼らはイエスを信じなかった」(12・37)と。たくさんのしるしを示されたにもかかわらず、人々の無理解があったのでしょう。種々のしるしでも、イエスにとって最高のしるしは死と復活です。最後にヨハネ福音記者は、「このほかにも、イエスは弟子たちの前で、多くのしるしをなさったが、それはこの書物に書かれていない」(20・30)と。

さてカナでの婚礼はイエスにとって最初のしるしですが、これは最後のしるしとも言える「十字架」と非常に密接につながっています。イエスは母に「婦人よ」と語りかけます。これはキリストが十字架上から母マリアに語りかけた言葉と同じです。

またイエスは「わたしの時はまだ来ていません」(2・4)と語ります。これは十字架刑を前にしてキリストが語る「父よ、時が来ました。あなたの子があなたの栄光を現すようになるために、子に栄光を与えてください」(17・1)と語ります。イエスにとっての「時」が、死と復活であることを示唆してくれます。

種々のしるしを示されたイエスですが、最初のしるしであるカナでの婚宴は、ヨハネ福音書全体を結びつける重要なものです。

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