わたしを愛しているか 復活節第3主日(ヨハネ21・1~19)

日曜日の福音で短い朗読と長い朗読の選択肢があれば、何となく朗読の短い方を選びがちですが、今日は思い切って長い方の朗読をお勧めいたします。

前半部分は「不思議な漁」の話で、イエスのことばに従って網を降ろすと百五十三匹もの魚がかかる不思議な話です。後半部分は「わたしの羊の世話をしなさい」というタイトルがついているように、イエスへの問いかけにペトロが答えていく場面です。今日は後半部分にスポットを当ててみましょう。

イエスはペトロに「ヨハネの子シモン、この人たち以上に、あなたはわたしを愛しているか」と尋ねると、ペトロは「はい、主よ、ご存じのように、わたしはあなたを愛しております」と答えます。日本語で読んでいくと、イエスの問いとペトロの答えの違いに気づきませんが、ギリシア語で読んでいくと、その違いが分かります。ギリシア語で、「愛する」という言葉には「フィレオー」と「アガパオー」の二つがあり、「フィレオー」は「友達のように愛する」、「アガパオー」は「自分を犠牲にしてまでも愛する」「慈愛」のような意味を持っています。

これらの言葉を当てはめていくと、第一番目のイエスが問う「愛しているか」は「アガパオー」、ペトロの「あなたを愛しています」という答えは「フィレオー」。第二番目も同じで、イエスの「愛しているか」は「アガパオー」、ペトロの「あなたを愛しています」は「フィレオー」。第三番目は違ってきます。イエスの「愛しているか」は「アガパオー」ではなく「フィレオー」が使われています。これに対して、ペトロは悲しくなっていきます。三度も尋ねられたことに対してでしょうが、「フィレオー」が使われることによって、ペトロに対して「私をほんとうに何のわだかまりもなく友達のように愛してくれるのか」という問いかけにも響いてきます。このようなイエスの問いに、ペトロにはかつてイエスのことを三度「知らない」と否んだことがよみがえってきたかもしれません。そのことを乗り越えてペトロは「あなたを愛しています」と「フィレオー」で答えていきます。このペトロの答えには、イエスを何のわだかまりもなく愛していく強い姿勢が感じられます。

ペトロのこうした答えの中に、しっかりと成長した強い信仰が感じられます。

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