回心 受難の主日(ルカ23・1~49)

長い受難の朗読ですが、今年は「ルカ福音書」が朗読されます。「ピラトの前に立つ」「ヘロデの尋問」「民衆の要求」「十字架の道」「十字架につけられる」「イエスに対する嘲笑」「犯罪人の回心」「イエスの死」「イエスの埋葬」と流れていきますが、その中でも印象的なのが、「犯罪人の回心」の箇所です。イエスが犯罪人の一人に語ります。「あなたによく言っておく。今日、あなたはわたしとともに楽園にいる」(ルカ23・43)と。

イタリアのフィレンツェにあるサンマルコ美術館にはフラ・アンジェリコの絵(フレスコ画)が数多く展示されています。ドミニコ会の修道院の敷地内で、一階から二階へ上がった所には、有名な「受胎告知」の絵が展示され、二階に上がると、庭を囲むような回廊があり、各修道士たちの部屋の壁には、フラ・アンジェリコの絵が描かれています。イエスの誕生から死と復活にいたるまで、素朴なタッチです。部屋の一つにはイエスとともに二人の盗賊の絵が描かれています。イエスを中心にして、回心した盗賊はイエスの右手側に、イエスをなじる盗賊はイエスの左手側に描かれています。十字架のもとには、聖母マリア、聖ヨハネと共に、大きく手を広げている聖ドミニコ、書物(聖書)を手にしてひざまずく聖トマス・アクィナスが描かれていて、とてもすばらしい作品です。

特に二人の盗賊の顔が印象的です。左手に描かれている盗賊は、とても暗い顔つきで、失望した表情。一方、右手の盗賊はイエスを仰ぎ見て、イエスもこの盗賊に目を向けています。二人の間には、「今日、あなたはわたしとともに楽園にいる」とラテン語で記され、しかもそのラテン語が反対文字になり、イエスが語っている側が中心になるように描かれています。また同じ修道院内の参事会員室にも「十字架像」が描かれ、二人の盗賊とともに、十字架のもとにはドミニコ会の聖人たちとともに、聖ベネディクト、アシジの聖フランシスコなども描かれています。二人の盗賊において、左手側の盗賊は失望した表情ですが、右手側の盗賊はイエスの方向を向き、希望に満ちた顔です。

私たちもまた、イエスの御顔を仰ぎ、救いへと招かれたいものです。

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