星に導かれるという種 主の公現(マタイ2・1〜12)

百貨店のエレベーターの中で、お母さんとお嬢さんが「ああ、クリスマスも終わりお正月も終わって、後は、『ヴァレンタイデー』かな」と会話をしていました。確かにこの会話は、今の日本人の大部分の方の考えなのかもしれません。確かに、街中で11月が終わるとクリスマスまで「クリスマス・イルミネーション」や「クリスマス商戦」というものがあり、クリスマスが過ぎるともうお正月の準備がなされています。きっと、キリスト教以外の方が教会に来られて、まだクリスマスの「馬小屋」があるのを見て驚かれるかもしれません。

典礼では、「主の公現」までが「降誕節」となっていて次の月曜日から「年間」が始められます。「主の公現」は、星の光に導かれた東方の博士が幼子イエス様を拝みに来ることによってイスラエルの民だけではなく、異邦人に対しても「救い主の誕生」が広まることを表しています。

きょうのみことばは、東方の博士たちがヘロデ王の所に来て「お生まれになったユダヤ人の王は、どこにおられますか。わたしたちはそのお方の星が昇るのを見たので、拝みに来ました」と尋ねる場面から始まっています。彼らは、異邦人たちで「博士」(占星術師)だったので、ユダヤ人たちにとって汚れた者たちだったのです。その彼らが、ヘロデ王の所に来て「お生まれになったユダヤ人の王は、どこにおられますか」と尋ねたのです。もちろん博士たちは、「ユダヤ人の王」を探しに来たのでヘロデの所に来たのは当然のことだったのです。しかし、当のヘロデ王は、自分の地位が失われるのではないかと「うろたえ」ます。この言葉の中に人の様々な「欲」や「自我」というものが表されているような気がいたします。私たちは、時折自分の意に反すること出てくるときに「うろたえる」ことがあるのではないでしょうか。

ヘロデ王は、祭司長や民の律法学者たちをすべて集めて「メシア」はどこに生まれるのかを尋ね、「ベツレヘム(パンの家)」ということを知ります。皮肉なものでヘロデ王は、異邦人である東方の博士たちから「お生まれになったユダヤ人の王は、どこにおられますか」という質問を聞いて、初めて「メシア」が誕生されたことに気がついたのです。王や祭司長たちは、「メシア」がどこに生まれるかということについては、知識の上で知ってはいても肝心な「星」のしるしには、気がつくことができませんでした。このことは、私たちに「何が大切であるか」「何をしなければならないのか」ということを気づかせてくださるのではないでしょうか。

ヘロデ王は、博士たちをベツレヘムに送り出しながら「行って、その幼子を丹念に探し、見つけたら、わたしに知らせてくれ。わたしも拝みに行きたいから」と伝えます。ここにも、ヘロデ王の政治的な醜い「傲慢さ」が現れています。私たちは、ヘロデ王によって、「上に立つ人は【謙遜】を忘れていけない」ということを教えてもらうのではないでしょうか。

博士たちは、ベツレヘムに向かって出かけて行き、彼らがかつて見た星が彼らの先に立って進みます。確かに、博士たちは、占星術師ですので星の輝きや動きに対して敏感だったのでしょう。しかし、夜空に輝くたくさんの星の中から、目印である【その星】に気がつくということは本当に素晴らしいことと言ってもいいでしょう。博士たちは、その星が幼子のいる場所まで来て止まるのを見て非常に喜びます。この【喜び】中には【希望】の意味が含まれているのではないでしょうか。私たちにとってこの星とは一体どのようなものなのでしょう。もしかしたらこの【星】は、三位一体の神様が私たちの周りの人や物事を通して【おん父のみ旨】を教えてくださる【目印】なのかもしれません。私たちも博士たちのように【星】に導かれて幼子のイエス様の所に導かれたらいいですね。

博士たちは、幼子のイエス様の所に来て伏し拝んで礼拝し、「黄金」「乳香」「没薬(もつやく)」の贈り物を捧げます。これらの贈り物は、とても高価なものです。みことばにはイエス様をはじめマリア様、ヨセフ様がどのようにお使いになられたとは記されていません。この贈り物は、このご三方にとってあまり意味を持たなかったことでしょう。ただ、博士たちの「心」を喜んで受け取られたのは間違いないと思います。私たちも博士たちのように私たちの大切な「心」の【贈り物】を差し上げることができたらいいですね。

きょうのみことばは、ヘロデ王の傲慢な【闇】の部分と対象に東方の博士たちの来訪という純粋な【愛】と、その贈り物である【心】を喜んで受け取られるイエス様の【いつくしみの愛】が表されているような気がいたします。私たちは、時として迷い、悪への誘惑に負ける時があるかもしれません。そんな時、「私にとっての【星】はどこにあるのか」と気づき、その【星】に導かれて歩むことができたらいいですね。

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