22. 社会問題を福音の光で照らす

アルベリオーネ神父は、神学生の間も司祭になってからも、レオ十三世の回勅の勧めに従い、社会問題に関心を寄せて、その研究大会にしばしば参加し、社会事業の組織造づくりに協力し、カトリック・アクションの活動家と交際していた。

一九一一年から一四年の間は司教の命令で、アルバ地方の村々を回って人民同盟(Unione Popolare)の会議を開き、講演し、社会問題を福音の教えに照らして解決の道を示した。神父は、こう述べている。「祈りと活動は、私を導いて政治、学校、法律、家庭、階級間の関係や国際関係を健全にしようと企てるキリスト教的社会活動に向かわせた。道・真理・生命であるキリストが支配するように。パウロ家には、ここに広範な任務と責任がある。

パウロ家は、その使徒職全体において、つまり、勉学、使徒職、信心、活動、出版において、全世界におおきく開かれている。出版は、あらゆる階級の人びとのためであるべきだし、あらゆる問題や事件は福音の光にあてて判断されるべきだ。熱望するところは、ミサにおけるイエスのみ心の望みである。『イエス・キリストを知るため』という唯一の使徒職において、あらゆる使徒職とあらゆる善業を照らし、支えなければならない。万民を心にいだき、あらゆる問題において教会の現存を心に感じさせるべきだ。」

以上のようにアルベリオーネ神父が青年期に行ってきたことすべては、これから始めるいくつもの修道会創立の準備となった。また偉大な教皇ピオ十世の生涯のプログラム、すなわち「真理の光、聖性の道、信心の根元、聖体に現存し、活動つづけているイエス・キリストの人生を世界にもたらす」という精神を、アルベリオーネ神父は受け継いだのである。すなわちアルベリオーネ神父は、「人びとの生きた声である出版」(ピオ十二世教皇)と典礼と司牧とを刷新することによって、ピオ十世の考えていたことを実践しようと決心したのである。そして回想録にこう書いている。「パウロ家の創設に際しても、その後これを継続していく場合にも、いつも二重の従順を守りながら歩んできた。つまり、ご聖体のイエスのみもとたで受け、指導司祭の承認をえた霊感と教会の長上たちが明示した意見とに従ってきた。」

しかし、一方では聖パウロ家の創立を、もう少し見合わせたほうがよいと思われる理由がたくさんあった。アルベリオーネ神父は、すでにたくさんの役職を兼任していた。神学生と少年たちを合わせて一八○人もの霊的指導、ドミニコ第三会員の指導と年一二回の講話、大神学校で週一三時間の授業のほかにも教区関係の種々の役職にたずさわっていた。またヨーロッパには暗雲がただよい、今にも第一次世界大戦の破局へと向かっていた。かてて加えてアルベリオーネ神父は健康に恵まれず、「結核におかされているから、もう助からない」と司教に告げる人びともいた。そこでアルベリオーネ神父は司教に次ぎのように相談した。「中途で断念さぜるをえない危険が多分にあるのに、ある使命のために人を募集するのは無分別ではありませんか。」しかし司教が言うには「主は、あなたよりもよくお考えになり、取り計らわれるでしょう。信仰をもって続けてください」と。その時から、アルベリオーネ神父は、もう疑いをいだかぬようになった。

・池田敏雄『マスコミの先駆者アルベリオーネ神父』1978年

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現代的に一部不適切と思われる表現がありますが、当時のオリジナリティーを尊重し発行時のまま掲載しております。

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