イエスに視点を当てて… 主の公現(マタ2・1~12)

今年の正月はどんな夢を見たでしょうか。日本では縁起が良い夢として、昔から「一富士、二鷹、三なすび」と言われてきました。一説には、「富士山を見て、鷹狩りをし、ナスを食べること」が、徳川家康の幸せだったことから、このように言われたとか…。初夢の代表格でもある富士山をどの角度から見るかによって、私たちの感じ方が違ってきます。

例えば、富士山を山中湖辺りから見ると、堂々とした三角形に見えますが、沼津あたりから見ると、右側(山梨県側)の斜面は少しなだらで、江戸時代に噴火した部分がポコと突き出ているのに対し、左側(静岡県側)の斜面はやや急になっていて、きれいな三角形とは言えません。一方、八ケ岳や南アルプスの北岳、北アルプスの穂高岳頂上などからの富士山は、すーとした三角形を描いていて、とてもバランスがとれています。同じ富士山でも、場所や角度によって違うなあと思います。

さて今日のみことばは「主の公現」の箇所です。「公現」はギリシア語で「エピファニア」と言い、「現れること」「明らかにすること」を意味し、今まで分からなかったことがはっきりしてくることです。東方からの博士たちに代表される異邦人に、キリストが自らの姿を現したことを祝うもので、3世紀に東方で始まり、やがて西欧に広まっていきました。

しかし、今日の朗読箇所となっているマタイ2・1~12に付けられている表題は、「主の公現」というよりも、一般的には博士たちにポイントが置かれています。例えば、フランシスコ会訳では「博士たちの来訪」、新共同訳では「占星術の学者たちが訪れる」、原典のギリシア語聖書では「賢者たちの訪問」、エルサレム・バイブルでさえ「占星術の学者たちの訪問」となっています。つまり、博士たちがイエスのもとを訪問し、黄金、乳香、没薬を幼子イエスにささげたことがポイントになっています。

しかし、典礼の側面から考えていくと、「主の公現」とあるように、イエスがご自身を博士たちに示されたとあります。すなわち博士たちではなく、イエスに中心をおいていくと、「主の公現」の意味がしっくりきます。イエスに視点を当てて、今日の箇所を再度読んでみると、今までとは違う味わいが出てくるかもしれません。

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