ビザと修道生活 鈴木信一神父

ピザではなくビザです。

わたしたち日本管区はベトナムと強い絆を持って活動しています。ベトナムでは山内神父と牧山修道士の一人の会員が活動していますし、日本ではタンさんとヴーさんが活動しています。このように外国との人的交流がはじまると、ビザの問題が発生します。

どの国も自国の安全のために自国民と外国人の出入国を管理していますが、この業務を行っているのが外務省の入国管理局で、その支部と出張所は日本全国に七十か所あまり設置されています。海外旅行に行くときには必ず入国管理局のチェックを受けます。このチェックを受けるとき、パスポートを持っているだけでは不十分で、ビザとよばれる書類を持っていないと入国を許可しない国がありますが、そのひとつが日本です。タンさんやヴーさんが四年前に来日した時、彼らはパスポートともにビザも持参していました。ですから彼らは問題なく入国を許可されました。

現在、彼らに続いて日本管区のメンバーになることを希望するベトナム人青年たちが六人いますが、そのうちのトアンさんが日本に来るために一月に入国管理局にビザの中請をしました。通常は三か月以内にビザを受け取ることができるのですが、三か月を過ぎても連絡がなく、最終的に五か月後に、「ビザはあげません」という連絡が来ました。これは大変なショックでしたが、ビザを交付しない理由が申請書に書いてある活動内容が、宗教の在留資格に該当する活動とは認められないということでした。

そこで、今回提出した書類に書いた活動内容をもう一度チェックしてみました。そこには「宗教行事への参加(ミサ、黙想、腹想)。聖書研究、要理研究、典礼聖歌研究」と書いてありました。これらの活動は、私たちにとっては宗教活動に当たると思われるのですが、入管の審査官には宗教活動とは受け取れなかったのでしょう。

これはとても痛い教訓になりました。自分が思うこと、言うこと、書くことを、相手がどのように受け止めるかをしっかりと見極めたうえで発言し、文書を書く必要があるということです。特にビザの交付を中請する場合などは、このことを肝に銘じて申請書を書く必要があるということを学ばされました。日本の入国管理局には日本の管理局の流儀があります。同じようにベトナムの入国管理局にはベトナムの管理局の流儀があります。たとえば、ベトナムに入国する場合、短期であればビザは不要ですが、帰りの航空券を持っていなければ入国は許可されません。また以前にもベトナムに入国したことがある場合は、前回の出国から一か月以上の時が経過していないと入国は許可されません。相手の流儀を尊重し受け入れることに、コミュニケーションの大切な出発点があることを改めて学ばされました。

修道会の会員たちは、お互いに気が合うからともに生活をし、協働しているのではありません。主に呼ばれたから共住し、協働しているのです。当然のことながら、性格が合わない、考え方、感性、行動パターンが異なるなど、摩擦を引き起こす要素はたくさんあります。それでも皆が主に呼ばれ、主が与えてくださった仲間として尊重し、協働することを心がけます。

修道生活ではお互いがビザを求めることはありません。しかし人が集まるところには必ず調整の必要が生じます。お互いの違いを踏まえながら、一人ひとりが主から呼ばれた者であることを折に触れて思い起こす必要があります。お互いの違いを乗り越えて、

家族に平和がありますように!
共同体に平和がありますように!
国家間に平和がありますように!

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