最も重要な掟 年間第30主日(マタイ22・34~40)

「サドカイ派の人々がイエスに言い込められたのを知って、ファリサイ派の人々は集まった」(マタ22・34)という言葉から始まります。そもそもサドカイ派とファリサイ派は犬猿の仲でした。サドカイ派は体の復活、天使の存在などについて否定的でしたが、ファリサイ派は肯定的でした(使徒23・8)。このことだけでも、両者に考え方の相違がありましたが、イエスをいじめようという気持ちでは一致していきます。両者がふだんからどれだけイエスに痛い目にあっていたのかが想像できます。

律法の専門家が「先生、律法の中でどの掟がいちばん重要ですか」と尋ねます。何気ない質問ですが、これはとても難しい質問です。その当時、掟は613あり、「○○しなければならない」という命令的なものが248、「○○してはいけない」という否定的なものが365ありました。その数を考えただけでも恐ろしい質問です。つまり「613ある掟の中で、どれが一番重要でしょうか」という質問なので…。しかも律法の専門家が尋ねますので、へたすると罠にはまってしまいます。

非常に難しい質問の中で、イエスは第一の掟として、「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くしてあなたの神である主を愛しなさい」(マタ22・37)と旧約聖書(申6・5)の内容を引用しながら回答します。さらに第二の掟として「隣人をあなた自身のように愛しなさい」(マタ22・38)と加えていきます。律法の専門家であったファリサイ派の人々も、これに反論することができませんでした。

ここで言う隣人とはいったいだれでしょうか。ギリシア語では「プレリオン」、ラテン語では「プロッシムス」が使われ、「最も近いもの」を意味します。つまり、結婚している方であれば夫婦。兄弟姉妹があれば兄弟姉妹。親子であれば、親と子ども。「隣人」と表記すると「隣りの人」で血のつながりがない人でもそのようになりますが、厳密には「最も近い」ということで、血縁関係がいちばん身近な人と言えるでしょう。

最も重要な掟が、私たちの生活の中でどのように生きているかを考えさせてくれます。

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