逆風に悩まされて 年間第19主日(マタイ14・22~33)

5年くらい前の7月中旬、フランシスコ会の友人と一緒に飯豊(いいで)山に登りました。福島県、新潟県、山形県の県境近くにある霊峰です。初日、ふもとから飯豊小屋まで登り、翌日の午前5時には飯豊小屋を出発し、山頂を目指して歩き始めました。小屋から頂上までは約二時間のコース。その日は朝からけっこう横殴りの風が日本海側から吹きつけていましたが、それでも何とか歩けるような状態でした。二時間くらいで頂上近くの避難小屋に到着し、小屋の管理人さんに「頂上までどれくらいの時間でしょうか」と尋ねたら、「ここから頂上までは平らな所なので歩いても10分から15分くらいでしょう。ただ今日は日本海側からの風がとても強いので気をつけて歩いたほうがいいですよ」とのことでした。小休止して小屋を出ると、ものすごい風。台風並みの瞬間風速25~30メートルはあったでしょうか。歩き始めて数分のうち、友達の帽子があっという間に吹き飛ばされ、どこへ飛んで行ったかも分からないくらいの速さでした。日本海側から叩きつけるような横殴りの雨で、それは雹(ひょう)が直接、顔に当たっているかのような強さでした。何とか頂上には辿り着きましたが、生きた心地はしませんでした。山頂では写真も撮れないほどの雨、雨、雨。また小屋を出る時、小さなリュックサックの中に軽食、水、ケータイ、カメラを入れていたのですが、カメラはビニールで包んでいたのでよかったものの、ケータイはリュックサックに入れたままでびしょ濡れ。そのため、ケータイは使えなくなり、すべてのデータ(電話番号など)が消えてしまいました。

さてイエスはペトロに「来なさい」(マタ14・29)と声をかけます。ペトロにとっては、たいしたことはないだろうと思って、歩いていきますが、強い風で怖くなり、沈みかけます。ついには「主よ、助けてください」と叫びます。風や波は初代教会でのローマ帝国による迫害を想像できるでしょう。また日本のキリシタン時代に吹き荒れた迫害の嵐も…。

いつの時代でも逆風は吹き荒れています。厳しい時こそ、「安心しなさい。わたしである。恐れることはない」(マタ14・27)というイエスの声が届きそうです。

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