鳥飼いと羊飼い 復活第4主日(ヨハネ10・1~10)

今日のみことばで「門番は羊飼いには門を開き、羊はその声を聞き分ける」(ヨハ10・3)とあります。羊は主人である羊飼いの声を聞き分けるようですが、こうしたことは羊だけでしょうか。犬や猫、ひいては鶏でさえ聞き分け、識別するのではないでしょうか。

私が小学生のころ、父は養鶏場を営み、私の兄弟姉妹は6人。一番上の姉は修道院に入り、その後、男5人が続きます。その当時、長男は福岡で精肉店の修行中、次男は神学生(後でやめたけれど)、三男は小学生、四男は私、五男は保育園。小学生だった私の日課は、午後3時過ぎに小学校から帰ると、1500羽いる養鶏場で卵を採ることでした。その後、三男の兄や祖母といっしょに卵を一個一個きれいに拭いていく。夏は鶏舎の臭いがとてもきつく、冬は汚れた卵を水で洗うのがとても苦痛でした。この仕事が嫌で修道院に入った訳ではないのですが…。その頃、卵を採って拭き終わるまでには約2時間から3時間くらいかかりました。卵を採るのは鶏舎内を動くので、きつくなかったのですが、卵を拭くのは座ったままの姿勢でしたので、けっこう骨の折れる仕事でした。それでも文句一つ言わない祖母の姿勢はとても素晴らしく、84歳くらいで亡くなる二週間前まで、その仕事をしていました。

卵を採るために鶏舎内に入った時のことです。鶏たちは私の顔を覚えているのかどうか知らないけれど、私が鶏舎の中に入ってもほとんど暴れることはありませんでした。ところが、近くのおじさんやおばさん、仕事関係の人が来たりすると、鶏がいっせいに暴れ始めるのです。鶏の騒ぎ方で鶏舎内に入ったのが両親や兄弟など身内の者なのか、それとも一家とは関係のない人たちなのかが分かるような感じでした。今日のみことばに「羊はその声を聞き分ける」とありますが、鶏だってご主人様や飼っている人たちの声や顔を見分けるのだなあと思います。

鶏にしろ羊にしろ、飼い主との関わりが深いほど、愛情が生まれてくるでしょう。

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