イエスとラザロの友情 四旬節第5主日(ヨハネ11・1~45)

ラザロの兄弟姉妹はマリアとマルタです。彼らはベタニアに住み、とても素朴な生活をしていました。現在のベタニアはパレスチナ自治区になっていて、周囲が8メートルほどの塀に囲まれています。20年前までは自由に往来できたのですが、現在はイスラエル政府が作った大きな塀のために、容易に入ることはできません。

さてこの三人は、貧しい生活ではあってもベタニアで仲良く暮らしていました。そんな彼らの所に、イエスは時折出向いていたのでしょう。やがてラザロが病気になります。「主よ、あなたの愛しておられる者が病気なのです」とイエスのもとに遣わされた人が語ります。「愛しておられる」という言葉がとても興味深い表現です。これはギリシア語で「フィレイン」が使われ、「友達のように愛する」意味が含まれています。事実、ギリシア語で「フィロス」は「友人」の意味があり、動詞の「フィレイン」に由来するものです。この言葉から、イエスとラザロとはふだんから深い友情に包まれていたことが想像できます。

そうした中でラザロが亡くなっていきます。ラザロは埋葬され、4日がたっていました。通常であれば遺体も腐りかけ、悪臭が漂っていたことでしょう。イエスはラザロの死を通して深い悲しみを感じ、涙を流されます(ヨハ11・35)。親しい「友人」の死のように…。イエスが涙を流し、泣かれるのは、この箇所以外にルカ19・41とヘブ5・7です。これらの中でも感情的な涙を流されるのは、このラザロの場面がいちばんです。それだけイエスとラザロとが深い友情に包まれていたのでしょう。

やがてイエスは「ラザロ、出て来なさい」(ヨハ11・43)と叫ばれます。この叫びはイエスの復活を暗示するようなとても力強い言葉です。こうした呼びかけはまた、私たちに対する復活への招きがあることを感じてみたいものです。

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