御像について

カトリック教会に入るとイエス像、マリア像、聖人たちの像があります。これらの像について、カトリック教会はどう考えるのでしょうか?

カトリック教会には、イエス像、マリア像、聖人たちの像、絵画、イコンなどが置かれています。このような聖画像を礼拝のために用いるカトリック教会と、プロテスタントの諸教会では、その考え方が異なっています。

確かに、出エジプト記の二十章四〜五節には、「あなたはいかなる像も造ってはならない。……あなたはそれらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはならない」という掟があります。この聖書の言葉に基づいて判断すると、イエス像、マリア像、聖人たちの像、イコンなど聖画像は、偶像礼拝(崇拝)になるのではないかという疑問が生じます。

教会の歴史の中でもこのことが議論され、八世紀の初め頃、東ローマ帝国の皇帝レオ三世は、聖画像を礼拝のために用いることを禁止し(七二六年)、いわゆる「聖画像破壊運動」(イコノクラスム)が起こりました。そのため教会の中に、抵抗と混乱が生じました。これに対し、聖画像を礼拝のために用いることを擁護するローマ教皇グレゴリオ二世が、皇帝レオ三世にあてた手紙が残っています。この手紙の中で、教皇グレゴリオ二世は、次のように説明しています。

「あなたは、われわれが石や壁や石板を礼拝していると言う。しかしわれわれは、あなたが言うようにしているのではない。われわれの記憶を呼び起こすため、またわれわれのぼんやりした心を天上に向けるために、……聖画像を置くのであって、あなたが言うように神々として崇敬しているのではない。われわれは聖画像に希望を置くのではない……」(『カトリック教会文書資料集』581)。

すなわち、聖画像はそれによって表わされているイエス、マリア、聖人たちを、より効果的に思い起こさせる「感覚的なしるし」にすぎず、聖画像そのものを、真の神であるかのように礼拝しているのではないという考え方です。このことは、第二ニケア公会議(七八七年)によって確認され、今日に至っています。(『カトリック教会文書資料集』600〜601、『カトリック教会のカテキズム』1159〜1162参照)。

●回答者=白浜満神父

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