福音の喜び 待降節第3主日(マタイ11・2~11)

待降節第三主日や四旬節第4主日は、バラの主日とも呼ばれ、祈願や朗読では伝統的に喜びのメッセージが語られます。集会祈願の中で「喜びの源である父よ、御子キリストの誕生を心から待ち望む私たちを顧みてください」と祈り、第一朗読のイザヤ書では「荒れ野よ、荒れ地よ、喜び躍れ、砂漠よ、喜び、花を咲かせよ」と朗読されます。

今日の福音は、「行って、見聞きしていることをヨハネに伝えなさい」(マタ11・4)から始まります。その内容も旧約聖書のイザ35・5~6、61・1、29・19の箇所が引用されながら、その内容の実現が語られていきます。すなわち、「目の見えない人は見え、足の不自由な人は歩き、重い皮膚病を患っている人は清くなり、耳の聞こえない人は聞こえ、死者は生き返り、貧しい人は福音を告げ知らされている」(マタ11・5)。旧約のことが実現するとともに、社会の中で見捨てられた人への豊かなメッセージが語られていきます。

なぜこうした言葉が語られたのでしょうか。一つには社会の背景として、当時、数多くの戦いが続き、目が見えなくなってしまった人、耳に負傷を負ってしまった人、足を怪我して歩くのに不自由を感じている人がいたのでしょう。それに限らず、戦いのために亡くなっていった人も数多かったと思います。また治療や薬が発達した現代とは違い、当時、重い皮膚病を患っている人は、周囲の人々からその病が「罪の結果」だと思われ、とても差別的な境地に置かれていました。また「貧しい人」とは、お金を持っていないことや物を持っていないことだけに限らず、民族の争いなどによって虐げられていた立場の人も数多く、精神的な貧しさに陥っていた人々もたくさんいました。そんな状況を加味すると、イエスの到来は多くの人々にとって、喜びであり、福音でした。

外面的な癒しだけではなく、精神的な癒しも私たちにもたらすイエスを、この季節の中で待ち望みながら…。

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