聖マリアの両親 聖ヨアキムと聖アンア

7月26日に、教会は聖マリアの両親、聖ヨアキムと聖アンナを記念します。さて、私たちはこの2人の聖人について、聖マリアの両親であるということ以外、ほとんど何も知りません。

もちろん、さまざまな想像をすることはできます。あれほどすばらしい信仰をもって、イエスの母としての使命を生きたマリアを生み育てたのだから、よほど熱心な信仰生活を送っていたのだろう。もしかすると、マリアは神の子を宿すとの天使のお告げを受けた時、この両親にまっ先に相談したのかもしれない。イエスが死んで復活し、神の子としての姿を明確に現された時、彼らはまだ生きていたのだろうか……。しかし、今の私たちにとっては知るよしもありませんし、おそらく知る必要もないことなのでしょう。

教会が聖ヨアキムと聖アンナを祝う理由は、ただ彼らが聖マリアの両親であるということによります。つまり、聖ヨアキムと聖アンナには、イエスによる救いを準備するために、イエスの母マリアを生み、育てるという役割が与えられた。そして、彼らはこの役割を果たした。だから、彼らを記念するということです。

そもそも、当の本人たちは、まさかマリアが救い主の母になるとは思ってもいなかったでしょう。だから、救い主の母となるようにふさわしい教育をしようとも思っていなかったでしょう。彼らは、他の親とまったく同じように、その子マリアを神の民の一員としてふさわしく育てようと努めたにすぎないのです。

しかし、まさにこの意味で、聖ヨアキムと聖アンナは、神の救いのわざがどのように成し遂げられるのかをよく示していると言えるかもしれません。私たちのほとんどは、自分のしていることが、自分の生涯がどのように救いのわざに寄与しているのか知りません。しかし、そんな私たちのわざ(ほとんどの場合が当たり前のわざ)を通して、神が救いのわざを前進させてくださるのです。多くの人たちの目立つこともないわざが、神によって一つに織り成され、偉大な救いを実現していくのです。

今回、選んだ聖書の個所は、このようにして実現される神の救いをよく表しています。パウロは、この箇所で、一人一人に与えられる神の賜物の違いとそれぞれの賜物が持つ他と比べることのできないすばらしさを、「体」の比喩を用いて説明しています。体にはさまざまな機能を持った部分があり、すべての部分が自分に与えられた役割を果たしているからこそ、体として機能するというものです。見た目の優劣、各部分の働きの優劣にもかかわらず、不必要な部分はありません。また、それぞれの部分の働きは、体全体の働きとなります。逆に、体全体の働きは、各部分が働いたからこそ可能となるので、すべての部分が「自分の働き」と呼べるものです。各部分の働きを導き、組み合わせてくださるのは、聖霊です。これこそが、キリストの体である教会なのです。そこでは、大切なのは、誰が何をしたかではなく、その行ないによって全体(=キリストの救い)がどれだけ実現したかということなのです。

聖ヨアキムと聖アンナが、神から与えられた役割を果たすことによって、知らないうちに、イエスの救いのわざに決定的に貢献したように、今も私たち一人一人は、知らないうちに、救いのわざに決定的な影響を与えています。私たちには明らかではないかもしれませんが、私たちの日々の行ないが、救いのわざを実現させたり、妨げたりしているのです。自分の行ないとその成果という人間的な視点ではなく、神がそれを用いてどのように救いのわざを実現してくださっているかという大きな視点を持ちたいと思います。それによって、見た目の優劣で評価することなく、自分に与えられた務めを喜びをもって果たしていくことができるようになるのではないかと思います。

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