葬儀・告別式の場所について――キリスト教知恵袋

カトリックの葬儀ミサ・告別式は、家庭でできないのでしょうか?

キリスト教徒にとっての葬儀、その構造と背景にある教会の信仰から回答いたします。

〈1〉キリスト者の葬儀は、復活信仰(主の過越)を新たにしながら、死者を神のみ手に委ねる儀式です。肉親との別離は悲しいものであるとしても、死が復活信仰に裏づけされた地上から天上の宴への過越であることを思うとき、そこに慰めと希望を神から受けることができます。神から与えられた人間の命は家庭にあって育まれ、洗礼による神の子としての生命は教会共同体にあって成長し、そして時の満ちたとき神の栄光にあずかるために、天上の教会へと過ぎ越すものです。この信仰のもとに葬儀が行われます。

〈2〉葬儀とは通夜、教会堂でのミサと告別、そして埋葬の一連の儀式全体を言い、この間に死者の家から教会へ、教会から墓地へと行列が行われます。通常は家庭で通夜を行い、教会堂で葬儀ミサ、そして埋葬へと典礼は構成されておりますが、遺族の事情や家庭のスペースなどの理由から、通夜を教会で、葬儀ミサを斎場で行うなどの場合もあります。典礼本来の意味を考慮すると、通夜は死者が遺族・近しい者などと最後の夜を自宅で過ごし、教会での葬儀ミサは地上の信仰共同体が死者を迎え、共に主の食卓を囲み、聖体によって結ばれた絆は死によっても断ち切られないことを表し、ミサに続く告別によって地上の共同体と別れ、参列者の見守る中で天上への旅立ちとして教会堂をあとに出棺します。

〈3〉以上の典礼的意義を最もよく表すには、家庭から教会へと移動して行われることがふさわしいのですが、葬儀の状況はさまざまですから、故人の遺言や遺族の希望によって、どこで、どのようにするかなどを主任司祭とよく話し合った上で決めることです。ただし、場所がどこであっても、典礼が意味している地上の共同体から天上の共同体への過越表現と一致の秘跡(聖体)による絆は、永遠に一つである、という信仰表現を守らなければなりません。(事情によっては「ことばの祭儀と告別・出棺」式を葬儀ミサに代えることもできます。)

●回答者=南雲正晴神父

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