名前の由来 年間第31主日(ルカ19・1~10)

人にはそれぞれ名前がついていますが、親にとってはその子どもの将来を考えて名前を付けたことでしょう。私の場合でも「堅治」ということで、「堅固に治める」ことを期待してつけたのでしょうか。名前の由来を親に聞く前に両親とも亡くなってしまいました。親が元気なうちに、自分の名前の由来を聞いておけばよかったなあと後悔しています。

ベトナムに来て語学学校に通っていますが、授業の中で、「ベトナム語の70%は中国語に由来する」と先生が話していました。日本語も中国語の影響を受けているので、確かにそうだなあと思います。私が通っている初級のクラスには、八名の生徒がいますが、日本人は二人、韓国人が四人、台湾人が一人、そしてフランス人が一人です。時々人数が変わったりもしますが…。ある時、ベトナム語の中で「大学」「大使館」「結婚」「注意」「同意」などの言葉が出てきて、ほとんどの生徒が発音が似ていることもあり「分かる」という雰囲気でしたが、きょとんとしていたのはフランス人の学生でした。彼にしてみれば全く別の言語の世界です。そんなことで、漢字の影響は大きいなあと感じました。またベトナムの方々の名前も、漢字の表記ができるというのも驚きです。「雨」「青」「輝」など…。

さて今日の福音に登場する「ザアカイ」の場合はどうでしょうか。「ザアカイ」という名前は、「清い」「潔白な」という意味を持っています。ところが徴税人であったザアカイは、自分の名前とは裏腹な生活でした。事実、徴税人は、ローマ政府の管轄下にあり、規定以上の税金を取り立て、その一部を自分のふところに入れて私服を肥やしていたので、多くの人々から嫌われていました。またユダヤ人にとって、ローマは外国の支配者であり、外国の支配下のもとで働くということで、これもまた不評でした。みんなに嫌われ、罪人扱いを受けていた徴税人の頭ですから、最高の嫌われ者と言ってもよいでしょう。そんな彼がキリストとの出会いによって全く変わってしまいます。むしろ自分の名前が持っている「清い」「潔白な」人物に変えられたのではないでしょうか。

私たちもまた、キリストとの出会いによって、自分本来の姿をどのように取り戻していくかと考えさせられます。

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