諸聖人の祭日

11月1日は、諸聖人の祭日です。聖人とは、キリストへの信仰をもってこの世の旅路を歩み通し、今は御父のもとで永遠の報いを受けている人たちのことです。11月1日は、名前が知られている聖人、知られていない聖人を合わせて、すべての聖人をお祝いする日です。

さて、聖人たちは天に上げられましたが、私たちから遠ざかってしまったわけではありません。私たちは、キリストのうちに、諸聖人と一つに結ばれています。信仰によってキリストに結ばれた者の絆は、死をもってしても打ち砕くことができないからです。私たちは、この諸聖人たちとともに、救いの共同体であるキリストの教会を形作っています。

教会というとき、私たちはともすると教皇様を中心とした全世界の教会、目に見える地上の教会だけを思い浮かべることがあるかもしれません。しかし、キリストの教会は、聖人たちの共同体、すなわち天の教会をも含むものです。目には見えないし、触れ合って絆を確認することもできませんが、確かに私たちは天の聖人たちと固く結ばれているのです。私たちが苦しむとき、天の教会全体が私たちを励まし、私たちのために神に取りなしの祈りを捧げています。私たちが教会に集い、心を一つにして祈るとき、天の教会全体も私たちと声を合わせて祈っているのです。諸聖人の祭日にあたって、この天の教会のこと、そして私たちと天の教会の絆を思い起こすよう心がけましょう。

しかし、天の教会はどのようなものなのでしょうか。今回取り上げたヨハネの黙示録(ミサの第二朗読で7章の一部が読まれます)で、天の教会は、永遠の賛美の集いとして描かれています。人びとは、神の玉座と小羊キリストの前に導き入れられ、もう離されることなく、昼も夜も絶えず神をほめ称えることができるようになること、これこそ、苦難の中にあってキリストにとどまり続けた聖人たちに与えられた報いであり、今はまだこの世の旅路を歩んでいる私たちに与えられるであろう報いです。

でも、ここで皆さんに考えていただきたいのです。昼も夜も絶えず神を賛美し続けることを、皆さんは最高の喜び、救いとしてとらえることができるでしょうか。自分も早く神を賛美し続けることができるようになりたいと心から願えるでしょうか。それとも、もっと違った救いを望んでいるのではないでしょうか。

私たちは、神を賛美することのすばらしさについて、あまり実感できていないようです。賛美するという行為は、自分のために偉大な業を行ってくれた人に対して自然に沸き上がってくるものです。少し乱暴な比較になるかもしれませんが、日本がサッカーのワールド・カップに出場することになったときのあの熱狂、長野オリンピックでスピード・スケートの清水選手やスキー・ジャンプ陣が金メダルを取ったときの感動を思い起こしてください。あのとき、だれかから命じられたわけでもないのに、溢れんばかりの人が集まり、その偉業を心から称えたではありませんか。

まして、神は、私たちを罪の闇から解放し、救ってくださったのです。他のこととは比べ物にならないくらいすばらしいことを私たち一人ひとりのために実現してくださったのです。そのすばらしさに気づくとき、私たちは自然に神のもとに集まってその偉大な業を称えようとするのではないでしょうか。行われたことがあまりにすばらしいからいつまでも神に感謝し、神をほめ称えないではいられない。今この地上では神を直接見つめながら、いつも賛美の声を上げ続けるというわけにはいかないけれども、天の教会に導き入れられるとき、この願いは完全にかなえられる。天の教会は何とすばらしいところであろうか。黙示録が言いたいのはそんなことなのかもしれません。

天ではきょうも、諸聖人たちが、キリストとともに高らかに神を賛美しています。私たちも、ミサの叙唱で祈るように、「天の都エルサレムで(神の)栄光を仰ぐすべての聖人聖女とともに、感謝の祈りをささげ、……賛美の歌を歌い」ましょう。「賛美、栄光、知恵、感謝、誉れ、力、威力が、世々限りなくわたしたちの神にありますように、アーメン。」(ヨハネの黙示録7章12節)

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