赦される 年間第11主日(ルカ7・36~8・3)

今日のみことばで、一人の罪深い女がイエスの足元に近寄り、「涙でイエスの足をぬらし始め、自分の髪の毛でふき、その足に接吻して、香油を塗った」(ルカ7・38)と記されています。この女性にとって、自分の罪深い思いをはっきりと表し、イエスとの出会いによって赦してほしい気持ちがよく示されています。この女性にとってイエスから赦されることは、どんな大きな励みになったことでしょうか。

かれこれ三十数年前になりますが、司祭叙階して最初の四年間は福岡修道院で中学生志願者の係をしました。叙階して年数が経っていないし、若かったということもあり、志願者たちの生活全体がよく見えていなかったことが多々あったことを、今さらながら反省したりしています。

この養成の仕事を四年間していていちばん辛かったのは、入会した志願者たちが退会する時でした。自分としては一生懸命育てたつもりですが、一人の志願者が退会して家まで送り届け、家庭の両親から「修道院に送って子どもがよくなってくるかなあと思いましたが、家にいた時よりも成績は落ち、性格もかえって悪くなってきました」と言われた時は、さすがに言葉が出ませんでした。ただただ「十分に育てることができてなくて、申し訳ありませんでした」としか言いようがありませんでした。一生懸命やったつもりでも、うまくいかない時もあるのだなあと、司祭になりたての頃、つくづく感じました。

その一方で、家庭に送り届けた時、両親から「大丈夫ですよ。うちの子どもが十分ではなかったのです。これから家庭で育てますので、どうぞ安心してください」と言われた時には、何だか救われたような気がしました。こちらの手違い、不十分な点もたくさんあったけれど、それでも赦していただいた時には何とも言えないような気持ちでした。重荷が大きいほど、赦された時には「ほっと」したり、肩の荷が下りるのではないでしょうか。

罪深い女の場合もたくさんの重荷を抱えていたはずです。イエスとの出会いによって、自分の罪深さが赦されたことを実感したのではないでしょうか。

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